鈴木邦男さんが今の原発デモを見て昔を回想し面白いことを語っています。
是非一度読んで見て下さい。マガジン9さんよりです。

鈴木邦男の愛国問答  第73回 脱原発デモに参加した
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昔、デモに出た時は、よく荒れた。又、荒れたデモでないと本当のデモではないと思った。我々は正義だ。それを規制する機動隊は敵だ。正義の我々を弾圧している。そう思うから、「権力の犬め!」と機動隊に向かって暴言を吐く。機動隊も、カッとなって、見えないように、持ってる盾をデモ隊の足元に落としたり、こづいたりする。挑発に乗ってデモ隊は機動隊と乱闘になる。そんな時、黙って見ていては「卑怯者」になる。だから、闘う。そして逮捕される。そんなことで何十回と逮捕された。
 だから、「デモ=逮捕」と条件反射的に思い出して、つい億劫になるのだ。今さら捕まるのも嫌だしな、と思いながら、2回のデモに参加した。
 しかし、それは杞憂だった。昔と違い、ヘルメットをかぶり、盾や長い棒を持った機動隊はいない。制服の警察官だけが付いている。「道に広がると車にひかれますよ」「信号は早く渡って下さい」…と。いわば交通整理だ。デモの指揮者も「お巡りさんの注意に従って下さい」と言う。「お巡りさんは私達を守ってるんですから」と発言する人もいる。「権力の犬め!」と罵倒する人はいない。これはいい事だろう。
 デモは自分たちの主張を訴えるものだ。反原発の人はこんなにいますよ、と。それを数で示す。その時、警察官と争う必要はない。昔は、どれだけ正しいかを示そうと焦って、機動隊と闘ったし、その激しさで自分たちの真剣さを表そうとした。でも、もうそんなことはない。だったら、これだけ厖大な数のお巡りさんも必要ないよな。デモ隊の中から、交通整理係を出してやればいい。デモ隊が沿道の人を襲ったり、どこかのビルを襲撃するわけはないのだし。大体、訓練された警察官をデモのために、こんなに大量に動員するなんて勿体ない。東北の被災地に派遣したらいい。お巡りさんは足りないのだし、と思ってしまった。
 しかし、高円寺デモの終わりの時だ。意外な光景にぶつかった。2時間半ほどデモをし、高円寺の小さな公園に着いた。そこで流れ解散だ。着いた順に解散する。そうでないと、次から次と着くから、小さな公園に1万5千人はとても入り切れない。でも、人々は公園からすぐには帰らない。公園は人々でふくれ上がる。その時だった。警察の装甲車の上から指揮官がマイクで叫ぶ。
 「ここは流れ解散です。すみやかに帰って下さい。デモの責任者はただちに解散させなさい」…と。ヘェー、昔ながらのことを言ってるんだ。きっと昔、機動隊にいて、過激派のデモと闘っていた人だろう。デモの人間は様変わりし、若い人達だけなのに、取り締まる方は昔ながらの発想だ。そう思った。さらに警察の指揮官は大声で叫ぶ。
 「解散させなければ、デモの責任者を逮捕します! 只今の時間は…」と。何だ、何だ。昔にタイムスリップした感じだった。やめてくれよ、と思いながら、そそくさと帰ってきた。


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