大切な記事だと思います。紹介させて下さい。
今、人権に制限をかけようとする政府の試みが止みません。
私達が強く訴え続けなければ、日本は悲惨な状況になると思います。

沖縄・高江での記者拘束問題を考える 「土人」暴言も飛び出す憎悪の現場
沖縄タイムス 2016年11月12日

 「報道の自由って分かるよな?」と、沖縄タイムスの男性記者は何度も聞いた。「仕事で写真を撮っているだけです」と、琉球新報の女性記者は何度も伝えた。しかし、警察官たちは一言も発しない。ただ両腕をつかみ、背中を押した。そうやって、取材中の記者2人が拘束された。
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2012年、沖縄県警が編み出した手法だ。事故の多い新型輸送機オスプレイの配備強行に怒った市民が普天間飛行場のゲートを封鎖した時のこと。県警は強制排除した市民がまた座り込みに戻らないように、拘束し続けておくことを決めた。
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 権力が「悪いことをするかもしれない」と判断しただけで市民の身体の自由を奪う。戦前の治安維持法で悪名高い予防拘禁と本質的に変わらない。だが、沖縄県警はそんな批判を意に介さず、名護市辺野古、そして高江で同じ手法を繰り返し使ってきた。
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力ずくの記者排除は「遠い国での出来事とばかり思っていた」と書いたのは北海道新聞のコラム。
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 防衛局は事前に「要請」と題した紙をテントに貼り付け、19日までに撤去しない場合「所有権が放棄されたものとみなします」と主張してはいた。だが、勝手にみなしてはいけない。そもそも、テントが立っていたのは沖縄県が管理する県道用地だ。弁護士は「防衛局には何の権限もない。窃盗だ」と指摘した。
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 経済産業省の敷地内という明らかな国有地に立つ脱原発テントを撤去する時でさえ、政府は司法に訴える必要があったのだ。そのために約5年がかかった。最終的に撤去したのは東京地裁の執行官だった。高江では、行政の一員にすぎない防衛局職員が数時間で持ち去った。東京の都心と沖縄の山中では、法の保護にもこれだけの差がある。
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 市民がいくら集まっても、力の差は歴然としている。けが人が相次いでいる。87歳の女性は、右手小指を5針縫うけがを負った。仮留置場に入れられそうになり、車いすに座ったまま機動隊バスにしがみついていた。後ろから機動隊員が「触るな!」と怒鳴りながら右腕をつかみ、強く振り下ろした。右手がバスのどこかに当たり、深く裂けた小指から血が流れた。「骨が見えた」という。
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 抗議行動中の逮捕も多い。防衛局が工事の準備に着手した7月11日から3カ月の間に6人。「車を急発進させて警官をのけぞらせた」という公務執行妨害容疑など、軽微なものが大半だ。
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6人中5人は検察が初めから勾留を請求しないか、請求しても裁判所に却下され、すぐに釈放されている。弁護士によると2014年、全国で勾留が認められた率は86%。高江では6人中1人で17%。「統計的にも高江で不当逮捕が行われていることは明らかだ」と批判する。
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大阪府警の機動隊員が市民に対して「どこつかんどんじゃボケ。土人が」と言い放った。本土による沖縄差別の長い歴史を呼び覚ます言葉だ。同じ日、大阪府警の別の機動隊員は「黙れ、こら、シナ人」と威嚇した。松井一郎・大阪府知事が「売り言葉に買い言葉」と擁護したことと合わせ、沖縄では怒りと失望が広がった。
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 二つの発言はたまたまビデオ撮影されていたから警察庁長官が遺憾を表明し、発言者も処分された。だが、カメラのない所での暴言は日常茶飯事だ。私自身、警官が目の前で市民に「ばか」と3回続けて言うのを聞いたことがある。強制力を行使する警官が差別や怒りの感情に支配されている。率直に言って恐ろしい。
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 それにしても、記者の体に直接手を掛け、拘束し続けるというのは完全に一線を越えている。たがが外れたと言うべきか。報じられたら不都合なことをしている自覚があって、しかもそのことについて批判を受け止める気がない。だから報道されるのを実力で阻止する。異常事態の上にまた異常事態を塗り重ねている。
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 2紙の論調が米軍に厳しくなるのは、あまりにも多い事件や事故に住民が怒り、背中を押されたからだった。60年代に入ると復帰運動が高まり、住民が本土渡航の自由、行政主席の選挙など一つ一つ権利を勝ち取っていく中で、表現の自由も一緒に押し広げてきた。日本国憲法施行と共に表現の自由が空から降ってきた本土とは、成り立ちが根本から違う。だから、それを脅かす動きには常に敏感でいたいと思っている。
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 反ナチ運動の指導者マルティン・ニーメラー牧師の有名な言葉がある。
ナチが共産主義者を襲った時、自分は共産主義者ではないので何もしなかった。社会主義者、学校、新聞、ユダヤ人が襲われた時も同じだった。そして教会が攻撃された時、初めて立ち上がった。「しかしその時にはすでに手遅れであった」。沖縄2紙の次は本土のメディアが標的になるかもしれない。
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 記者の拘束も、政府は正当化している。国会議員の質問主意書を受け、「現場の混乱や交通の危険防止のための必要な警備活動」として追認したのだ。この答弁書は閣議決定されている。理論的には、全国どこで「現場の混乱や交通の危険」があっても、記者の拘束があり得ることになる。きょうの沖縄はあすの本土。そんな懸念も現場から伝えたい。
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 拘束が批判された後、現場では取材中の行動の自由が確保されるようになった。琉球新報の女性記者は「警察が拘束は間違っていたと認めたようなもの。逆に黙っていたら、拘束が今も繰り返されていたのではないか」とみる。「沖縄ではこれからも攻防は生まれる。闘う姿勢を忘れちゃいけない。書かなくちゃいけない。そのことを身をもって知った」

ヘリパッド反対派は「悪質」 防衛局が個人特定の資料作成
東京新聞2016年11月18日


「違法で悪質な妨害活動」 沖縄防衛局がヘリパッド反対派の写真・実名掲載
東京新聞2016年11月18日
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コメント
No title
あたしは近頃、沖縄における自分の感覚に、
様々なゆるぎを覚えてます。
それでも、今回の 土人…発言は。

つちんちゅ? ネイティヴ?
いろいろとプラスに考えようとしても
やはり、この件については 仕方ないとは思えませんでした。

この先、様々なことが不安です。
本土住んでる方々が、これを問題化してることを
身近な人に理解してもらえるようにしたい。


R☆さん
コメントありがとうございます。
ゆらがないと視野がひろがらないような気がします。
これからも大切なこと沢山教えて下さいね。

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